Keep running, Run faster.

毎日コツコツ、走ってます。山とか、街とか、トラックとか

2018 草津スパトレイル 当日(前編)

朝、3時起床。天気予報は、晴れで気温はかなり上がるとのこと。

 

もちろん携帯のアラームはセットしたのだが、自然と目が覚めた。同室にいた他のメンバーも同じように起床したらしく、全員の目が覚めたとこで、誰かの携帯アラームが遅れて鳴った。大会を重ねるごとにレース当日の手際は良くなっていて、部屋の中で一番はじめに準備を終えた僕は、スタート会場で朝食を受け取るため、一番早く部屋を出た。少し遅れて、静岡から参加してる40代くらいの男性、タカシさん(仮名)もちょうど出発準備を終えたようで、一緒にスタート会場に向かった。

 

 スタート会場はホテルから徒歩で5分くらいの場所にあり、到着するとたくさんのランナーが集まっていた。僕は朝食のおにぎりを受け取り、川の欄干のそばのアスファルトに腰をおろし、おにぎりをそそくさと頬張った。

 

その後はタカシさんと会話をしながら、預ける手荷物の準備をしたり、スタート前で写真を撮りあい、スタート地点から一番離れたところにあるトイレで用をたした。トイレの近くにあったテントにヒルよけ対策のためのスプレーが用意されていて、足に吹きかけると他にもうすることもなく、その場からスタート地点へ5メートル程近づいた場所に移動したところで、なんとなく立ち止まりスタートを待った。民家のベランダからは早朝にもかかわらず、こちらの様子をうかがっている地元の人がいた。寝巻き姿のままこちをみてる人もいる。

 

  タカシさんと、これから出るレースの話や過去に出たレースの話をして、僕が富士五湖ウルトラマラソンに完走した話をすると、とても感心した様子で、褒めてくれた。

「おー、それはほんますごいわ。ほんま、すごいで。」

「いやー、でも、最後は脚が全く動きませんでした。」

「でもな。俺の知り合いでけっこう早いやつがでとったけど、リタイアしてたわ。ほんますごいわ。」

レースの前の時間は、いつの間にか過ぎてしまうのだが、スタート直前の時間はいつもゆっくりと過ぎる。今回もそうだった。

 

僕とタカシさんはほとんどしゃべることもなくなり、無言でスタートを待った。スタート1分前、最後にお互いの番号を確認し、健闘と無事を誓った。短い時間、行動をともにしただけだが心から無事に完走してほしいと思った。ひと時の出会いだったし、絆なんてものも生まれなかったが、同じ場所を目指す同士として僕たちは繋がっていたと思う。

 

5時スタート。

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普通の人ではまだ寝てるいだろう早朝のスタートで、近くに民家もある都合ら鳴り物もなく、静かに72キロのスタートが切られた。長い1日になりそうだと思った。

 

第一給水所まではダラダラと登りが続く。オーバーペースにならないよう、心拍数が160以上にならないよう、歩きをいれながら登った。

給水所で、水分をとり、ここから次のエイドまでは少し下ってまた登り。獣道もないような山の斜面を降りる箇所もあり、粘土状になった地面はよく滑る。ロープを使いながら、降る。まだ前半なので体力は残っている。この時は前半でとほんとによかったと思った。

 

最初のエイドに着き、オレンジなどの果物を中心を口にする。レース中、僕の場合は柑橘系の果物が無性に食べたくなる。普段から柑橘系の果物が好きなので、レース中はその傾向が強くでるようだ。まだ、まだレースは長い。先を急ぐ。

 

ここからはずっとトレイルが続く。柔らかな路面はほんとは気持ちがよい。だが、気温が高く、暑さのため、心拍数がどうしてもあがってしまう。前半でこれだけの疲労があって、果たして後半身体は大丈夫だろうかと少し心配になる。それでも前に進むことだけを考えるのだが、走っていると、過去の自分への後悔や、不確かな未来への希望と不安、そんなことが自然と頭に浮かんでくる。マラソンであれば3時間〜4時間ほとんど誰とも話さず、LINEで連絡をとることもない。対話の相手は自分自身であり、過去の自分、未来の自分と向き合い、今、目の前にある路面を二本の脚で捕らようとする。この日もそうだったはずだ。でもレースが終わってしまうと、はて自分はなにを考えて走ったのか、すっかり忘れてしまう。

 

ひたすら、走り続けていると、眺望が一気に開け、眼前には野反湖が横たわっていた。思わず、「あぁ、、あぁ、、マジか、、」と言葉にならない声が漏れた。湖へと続く階段の入り口には鏑木さんが立っていて、声をかけてくれた。野反湖雄大で、美しく、凶暴性は身を潜め、ランナーを受けいれてくれているような気がした。このために僕は走ってきたのだと思った。しかし、身体は疲労困憊で、第2エイドの100m前からはトボトボと歩きながら、僕はエイドステーションに到着した。エイドではうどんを食べ、水を頭からかぶり、少し長めの休憩をとった。でもあまり長く休憩をとると、走れなくなりそうなので、僕は再びスタートを切って、レース後半戦に向かった。

 

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